2011年04月02日

赤と黒 非正規労働判決連敗

110330_204652.jpg 3月30日、31日と私が担当する2つの非正規労働者の裁判の判決が東京と京都であり、完敗しました。
 30日は,国立病院の賃金職員と呼ばれる嘱託職員たちの裁判です。彼ら彼女らは、国の機構改革で独立行政法人になった段階で「非常勤職員」と名称を変更されました。勤務時間を減らされたうえ、賃金が大幅に減少しました。東京高裁は、原告らは任用期限が満了したのだから身分を失ったのである。たとえ、これまで何年働いていようが関係ない。新たな非常勤職員としての採用はまったく新しい採用なので、どのような労働条件にするかは自由である、との許し難い形式論理で請求を認めませんでした。
 31日は、京都大学の時間雇用職員たちの裁判です。図書の入力業務を3年半にわたって更新されてきた契約について、京都地裁は、原告らが担当してきた業務は「家計補助労働、期限の定めのない契約を結ぶべき社会通念上相当な事情はない」と雇用継続を認めませんでした。原告らは、この仕事で得られる賃金で生活してきたのであり、誰かに頼って生活していたわけでもありません。また、「家計補助する立場の仕事従事者は簡単に首を切られてもいいのだ」というのではたまったものではありません。

 どちらの判決も、非正規労働者を物のように使いすてにしてきたこれまでの日本の雇用の仕組みを追認するひどい内容です。非正規労働者がいまどんな状況で働いているのか、どんな思いで仕事をしているのか、裁判所にはまったく届いていないようです。同じ労働者として保護していこうという発想が完全に欠如しています。

 どちらの事件の当事者も直ちに不服を申し立てることにしました。この国の働き方の仕組みを変えるためにも頑張っていきたいと思います。
 上の写真は国立病院賃金職員のみなさんです。判決日の夜、大阪に戻り集会をしたときの状況です。私は両裁判の判決において、この日のために験を担いで高いネクタイを締めて法廷に望みました。30日は青、負けてしまったので31日は赤。やはり、神頼みは通じないようです。
posted by 中村和雄 at 12:37 | みなさんの意見(4) | TrackBack(0) | 裁判
みなさんの意見
こんにちわ。大変残念な判決内容ですね、この問題は私たちや派遣労働者に対する、人ではなく、物としての扱いと同じです、こんな事を許してはなりません、格差社会の増大を招き、就職難にも拍車をかけることになりかねません、人間としての最低限度の生活を有する事もできなくなります、やはり、派遣労働法の見直しを考えることを日本国民が声を大にして何かの行動をしなければいけない時期にきていますね、先生におかれましてはますますのご活躍をお願いいたします。
Posted by 竹本繁夫 at 2011年04月03日 12:14
原発事故は情報公開が不十分ではないでしょうか。
もうすぐ統一地方選挙がありますが、組織の不祥事等を隠蔽したまま現職の首長が立候補しているとすれば、誠に遺憾なことです。自治体の組織的な不祥事が選挙後に発覚した場合、それを把握して立候補した候補者だとすれば、辞任する覚悟が必要です。
Posted by 丸山松男 at 2011年04月06日 15:48
本当に私達の一般常識とかけ離れた裁判官が多い事に驚いています。刑事裁判ではなく民事裁判(特に労働裁判)を裁判員制度にした方が良いと私は思うのですが…。いずれにせよ今のままではいけないと思います。
Posted by 山本吉男 at 2011年04月22日 09:10
昨年、11月に成立したISO26000では,,,

ISO26000#6.3.7#6.3.8#6.3.9#6.3.10をはじめとして、ありとあらゆる箇所で抵触しているのが日本の組織のあり方です。

企業内の傷害事件すら立件させない警察、労基、労働局、地検、検察審査会などまるごと社会システム全体がISO26000の謳うCSRで果たされておらず、全て抵触していると確信しています。

このような現実のそれぞれを外語化して、国際配信するべきではないでしょうか?

日本の福島で現下進行する、20mSV問題とまったく同じで、外圧以外に事態を改善する方法はなさそうに思います。
Posted by 壽廣 at 2011年05月25日 17:15
意見を書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/44104492
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック